『NARUTO-ナルト-』は、忍者をテーマにしつつも、日本文化や神話の要素を巧みに取り入れたことでその世界観を完成させた傑作です。特に、「うちは一族」が使う数々の術に登場する名前や設定は、日本神話と密接なつながりを持っています。そしてその中心にいるのが、うずまきナルトの宿敵であり親友であるうちはサスケです。
この記事では、サスケやうちは一族に関わる術の名前が日本神話にどう影響を受けているのか、またそれが作品の中でどのように生かされているのかを深掘りしていきます。
うちはサスケと日本神話のつながりを徹底解説
うちはサスケの所属する「うちは一族」は、万華鏡写輪眼やその進化形「永遠の万華鏡写輪眼」という瞳術を使い、数々の強力な術を発動します。その技名の多くが日本神話に登場する神々に由来していることは、知る人ぞ知る『NARUTO』の魅力のひとつです。
1. イザナギとイザナミ
作中で登場する術「イザナギ」と「イザナミ」は、どちらも日本神話に登場する夫婦神「イザナギ」と「イザナミ」に由来しています。それぞれ違った特性と神話的背景が術に反映されています。

イザナギ
『NARUTO』における「イザナギ」は、現実と幻術を融合する究極の術。「死さえも改変する」力で、自分に降りかかる不利な状況や致命的な攻撃を無かったことにする、いわば「運命を作り変える力」です。
- 日本神話との関係
イザナギは日本神話において黄泉の国(死者の世界)に足を踏み入れた後、生者の世界に帰還した「死を乗り越えた神」です。この神話的背景が、『NARUTO』における「死をもなかったことにする」という術の性質として練り込まれています。
イザナミ
一方、「イザナミ」は現実を改変する「イザナギ」に対する対極の術。「何度も同じループを繰り返し、修正すべき運命を対象に強制する技」として描かれます。この術を受けた者は、何度も自身の決断と結果をやり直すうちに、心理的に追い詰められるという特徴を持っています。
- 日本神話との関係
イザナミは黄泉の国に取り残され、イザナギと永遠に決別した存在です。この「取り返しのつかない結末」という要素が、『NARUTO』の「イザナミ」の不可避性を表現しています。
2. 須佐能乎(スサノオ)
「須佐能乎」(スサノオ)は、うちはイタチ、うちはサスケ、そしてうちはマダラが使用する、万華鏡写輪眼の最強の瞳術の1つです。この術は巨大な武者の姿をしたエネルギー体を作り出し、圧倒的な防御力と攻撃力を誇ります。

- 日本神話との関係
須佐之男命(スサノオノミコト)は日本神話における嵐の神であり、ヤマタノオロチを討伐した神話で有名です。スサノオは「戦いの神」として描かれ、作中で特に圧倒的な戦闘力を持つ最強術としてその特性が反映されています。 - 作中での表現
須佐能乎は、持ち主の力量や瞳力の強さによって形態が異なります。その武器や防具も個々のキャラクターによって異なり(例:サスケの弓矢、イタチの八咫鏡など)、神話との関係性を描写しています。
その他の神話由来の技名
『NARUTO』では、うちは一族の術以外にも日本神話に由来する要素が数多く取り入れられています。

天照(アマテラス)
「天照」は、万華鏡写輪眼の術のひとつで、対象を黒い炎で焼き尽くす攻撃です。作中では消えることのない炎として描かれます。
- 日本神話との関係
天照大神(アマテラスオオミカミ)は日本神話における太陽の神です。その光と力の絶大さが、『NARUTO』における「天照」の炎という形で表現されています。
月詠(ツクヨミ)
「月詠」は相手の精神を幻術空間に閉じ込め強制的に支配する技です。その中では現実世界の数秒間に対象に何時間もの幻覚を見せることが可能です。
- 日本神話との関係
月詠命(ツクヨミ)は、アマテラスの弟である月の神です。落ち着いた性質や冷静さが特徴で、『NARUTO』の術における「完全な精神支配」という特性とうまく結びついています。
八咫鏡(やたのかがみ)
八咫鏡は須佐能乎によって生み出される防御技で、すべての攻撃を無効化する盾です。
- 日本神話との関係
八咫鏡は日本神話に登場する三種の神器のひとつで、「真実を映す鏡」として知られます。『NARUTO』ではこの特性が完全防御という形で活かされています。
『NARUTO』で楽しむ日本神話の世界
『NARUTO』は、忍者というテーマを中心に、日本の神話や伝統文化を巧みに物語に取り込みました。うちは一族が用いる技の多くは、日本神話に登場する神々のエピソードや特徴に基づいており、これが物語に深い奥行きを与えています。こうした神話の要素を知りながら作品に触れると、新たな発見があることでしょう。
『NARUTO』の物語をこれから楽しむ方も、もう一度振り返りたい方も、この神話的背景を発見することで、作品の魅力をより深く感じていただけるはずです。
